かんな日記 そこそこ役立つ医療ネタ

「メラトニン」とは?

こんにちは。
かんな接骨院代表の山崎です。

ここでは「メラトニン」についてお話しさせていただきます。

 

・メラトニンとはどんな物質なのか?

メラトニンは動物、植物、微生物などに存在するホルモンで、ヒトでは脳の松果体という場所から分泌されています。
メラトニンには睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があり、我々の「朝起きて夜眠る」というリズムを形成してくれています。

※概日リズム(サーカディアンリズム):朝起きて夜眠るなどの一日の中のリズムです。

メラトニンは、朝目覚めて朝日を浴びることにより分泌量が低下します。
朝、このように光を浴びて分泌量が低下することで「睡眠→覚醒」へと体が切り替わるのです。
また、夜では、暗くなることでメラトニン分泌量が増え、これによって「自然な眠り」へと導かれます。

ですから、夜いつまでも夜更かしをして起きている、夜ずっと明るい環境にいる、朝いつまでも寝ている、朝起きても朝日を浴びない、こんな生活を続けていると、メラトニンの分泌量が変化してしまい「質の悪い睡眠」となってしまいます。

また、メラトニンの分泌量は年齢と共に減少します。
生後約3ヶ月くらいまでは、ごく少量のメラトニンしかつくられていませんが、成長とともに増加し、脳の松果体が発達する6~7歳頃に分泌量が最大となります。
そして、思春期である16歳頃から、今度は分泌量が減少していきます。
子供の頃はよく眠れ、年齢と共に眠りが浅くなってくるのは、このメラトニン分泌量と関係があります。

 

 

・メラトニンの作用

①生活リズムを整える
すでに上述した通り、メラトニンは睡眠と覚醒を切り替える働きを持ちます。
メラトニンの分泌調節がうまくいかないと夜の睡眠障害や昼間の寝不足感などの原因となります。

②うつ病など精神疾患の改善
うつ病などで起こる睡眠障害も、メラトニンの分泌調節が整えば改善します。
医科では、精神疾患による不眠症に対してメラトニンを薬として処方するそうです。

③アンチエイジング
メラトニンは睡眠だけでなく、実はメラトニン自体が「抗酸化物質」であるため、老化を予防する働きをもちます。
しかもメラトニンは抗酸化物質の中でも数少ない「ミトコンドリアの中に入ることのできる物質」だそうです。
そして脳を保護している脳血液関門も通れる物質です。
ミトコンドリアの中に入れる抗酸化物質・・・、そして脳血液関門も通れる物質・・・
ミトコンドリアの活性化や脳の活性化にも役立ちそうですね!

※抗酸化:活性酸素による酸化を防ぐ(簡単に言うと「活性酸素で体がサビるのを防ぐ」みたいな感じです)

④免疫力アップ
メラトニンには、免疫システムを強化する作用、ストレスによる免疫力の低下を抑える作用、感染症に対する抵抗力を高める作用などがあります。
さらには、がん細胞を排除する免疫力を高める効果なども、数多くの研究から確認されているそうです。
すごいですね。

 

 

・体内のメラトニンを増やすには?

①夜眠る時は暗くする
メラトニンは夜間に暗くなり、目から光刺激が入ってこない状態になると分泌量が増加します。
分泌量が増加することによって自然な眠りへと導かれます。
ですから、寝室が明るい状態であったり、寝る前にスマートフォンを見ていたり、夜寝る前にちょっとコンビニエンスストアに行ったり、こういったことがあると、当然、メラトニンが十分に分泌されません。

寝る前に過ごすお部屋の照明も、暖色系の照明をおすすめいたします。
そして寝る前にはなるべく外出やスマートフォンの使用を控え、寝室の照明はなるべく暗くしてお休みください。

②朝目覚めたらしっかり光を浴びる
朝目覚めて光を浴びることによりメラトニン分泌量が減少、そして睡眠から覚醒に体のスイッチが切り替わります。
朝目覚めたらしっかり朝日を浴びましょう。
朝起きたらすぐに光を浴びなければダメなのか?といいますと、そんなにすぐでなくても大丈夫だそうです。
朝、仕事に出かける際や、朝洗濯物を外に干す、こんなときにお日様の光を浴びても良いです。

メラトニンは朝日を浴びると分泌量が低下するだけでなく、その14~16時間後になると、つまりまた夜眠る時間が近付くと、体内時計の命令で分泌量が高まるそうです。
ですから、朝、しっかり光を浴びるのは、目覚めのスイッチとしても、またその日の夜に眠るにしても、とても重要です。

③食事から摂取する
メラトニンのサプリメントも販売されていますが、まずは自然な状態で体質を改善したいですよね。
メラトニンの材料となるのは「トリプトファン」という必須アミノ酸です。

トリプトファンから、まずはセロトニンという物質がつくられます。
セロトニンも幸せホルモンとして有名ですよね。
このセロトニンを材料として、夜、脳の松果体という部分でつくられているのがメラトニンなのです。

非必須アミノ酸というものは、体内で合成できないアミノ酸のことであり、つまり食事からの摂取が必須となります。
積極的にトリプトファンを摂取して、セロトニン&メラトニンを体内で増やしていきたいですね。

トリプトファンが多く含まれている食品についてはこちら「セロトニン」の記事を参考にしてみてください。

④その他
上述しました通り、メラトニンのサプリメントが販売されております。
また、医科では薬として処方されています。
ですが、やはり最初は自然に体内でメラトニンが増える方法を試したいですよね。

 

以上になります。
ではでは!