かんな日記 そこそこ役立つ医療ネタ

「ミトコンドリア」とは?

こんにちは。
かんな接骨院代表の山崎です。

ここでは「ミトコンドリア」についてお話しさせていただきます。

 

・ミトコンドリアとは?

ミトコンドリアはどこに存在するのか?と言いますと、まず我々の体の中には数十兆個の細胞が存在します。
その細胞の中に存在しているのがミトコンドリアです。
具体的には、ミトコンドリアは細胞質中に存在する細胞小器官(オルガネラ)のひとつです。
ヒトの一つ一つの細胞の中には数百のミトコンドリアが存在し、ミトコンドリアではATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーが産生されています。
ミトコンドリアでATPを産生するためには酸素が必要で、我々が呼吸をしているのも、実はミトコンドリアに酸素を届けるためなのです。

※細胞質:細胞を卵に例えると、卵の黄身が細胞の核、卵の白身が細胞質、卵の殻が細胞膜、こんな感じです。
※細胞小器官:細胞質中に存在し、一定の機能を果たす構造体の総称。色々な種類の細胞小器官が存在する。
※ATP:食べ物から摂取した栄養素(糖質など)から、ミトコンドリアなどでATPが産生されますが、このATPが体(細胞)の直接的なエネルギー源となります。

 

 

・ミトコンドリアの役割
1)ATP産生(エネルギー産生)

上述した通り、ミトコンドリアでは体の直接的なエネルギーであるATPが産生されますが、ミトコンドリアは「酸素を利用してたくさんのATPを作ることができる!」という点で、実はすごい小器官なんです。

我々の細胞にはミトコンドリアが存在しなくても、細胞質中にある「解糖系」でATPを産生することは可能です。
が、解糖系では少量のATPしか作れないんです。
これだけではエネルギーが全然足りません。
ですから、今のヒトの体の活動を維持するためには、ミトコンドリアによるATP供給が必要不可欠となっています。

聞いた話によりますと、我々の祖先にあたる細胞は、昔からずっと解糖系でATPを産生し、細々と暮らしていたそうです。
解糖系では酸素を必要としない代わりに、ATPが少量しか作られません。
おそらく鈍~い活動しかできなかったでしょうね・・・

約20億年前、そこに突如として現れたのがミトコンドリアだそうです。
ミトコンドリアは今まで使用することができなかった酸素を味方に付け、たくさんのATPを作ることができます。
その動きはさぞかし立派だったんでしょうね。
おそらくビュンビュンと動けたんでしょうね(私の勝手な妄想も少し入っています)。
そのミトコンドリアを羨む我々の祖先の細胞、マネしたいけどマネできない・・・、ならば・・・
と、ミトコンドリアをガバーッと細胞内に取り込んでしまったそうです。

まさに綺羅星のごとく出現した新しい会社を吸収合併してしまう大企業のごとく・・・

で、今の我々の細胞の中にミトコンドリアが存在しているらしいですよ。
外から取り込まれたというその証拠に、ミトコンドリアは独自のDNA(遺伝情報)を持っているそうです。
また、我々の細胞が細胞分裂しなくても、細胞の中でミトコンドリアは増えたり減ったりしているそうです。

※解糖系:糖質からATPを産生することができる器官。酸素を必要としない代わりに少量のATPしか産生できません。

 

2)免疫系にも関与

近年、ミトコンドリアは細胞内のウイルスに対する自然免疫としても役立っていることが判明したそうです。
なんでも、ミトコンドリア上にウイルス感染を検知するシステムが存在するらしいですよ。

 

3)その他

その他として、ミトコンドリアはカルシウム貯蔵の場でもあるそうです。この作用によって体内のカルシウム濃度の調節に関わるそうです。
また、ミトコンドリアは細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞の自殺)にも関わっているそうです。簡単に説明すると、「細胞のDNAが傷付く→ミトコンドリアに変化がみられる→細胞は死を選ぶ」、こんな感じです。
ミトコンドリアによって「DNAが傷付いたまま生きている細胞が暴走しないよう」に制御されているんですね。

 

 

・ミトコンドリアが働かないとどうなる?

ミトコンドリアが機能低下に陥ると、すべての機能が低下すると思ってください。
だって体の直接のエネルギーであるATPの産生が低下するんですよ?
細胞は何にもできませんよね。
元気がなくなり、体のいたるところに不調がみられることでしょう。

つまり全ての体の不調の原因・病気の原因となりうるのが、ミトコンドリアの機能低下です。

また、最近では「ミトコンドリアの異常とガン」の関連性も指摘されています。
「ガンはミトコンドリアの異常が引き起こしている」なんて本も散見されます。
まあ、こういった意見には肯定派も否定派もいますが、細胞の生理的な仕組みに関する知識があり、ガンの細胞がどういったものかがある程度理解できれば「ミトコンドリアの異常とガン」の関連性もあるのかなーと思えるのではないでしょうか。
私は、これらの本の意見に賛同します。

 

 

・ミトコンドリアを元気にさせるためには?

ミトコンドリアを活性化(元気に)することができれば、当然、全身の細胞も元気になります。
元気で長生きで、病気になりにくい体質となることも可能でしょう。
以下にミトコンドリアを活性化させる方法を紹介します。

 

1)有酸素運動

ミトコンドリアは筋肉の細胞内にたくさん存在します。
筋肉(骨格筋)を簡単に分類すると、持久力のある「赤筋」と瞬発力のある「白筋」に分けることができます。
ミトコンドリアがたくさんいるのは赤筋の方です。
ですから、赤筋を鍛えるには「長時間で低負荷の運動」、つまりジョギングなどの有酸素運動がおすすめとなります。
ジョギングなどが辛い場合はウォーキングでも良いです。
有酸素運動によってミトコンドリアは活性化されます。

 

2)お腹を空かせる

空腹を感じると、ミトコンドリアが活性化され、その数が増えるそうです。
ですから、最近流行りの「プチ断食」や「間欠的ファスティング」などがおすすめです。

 

3)寒さを感じる

寒冷刺激によってミトコンドリアは活性化するそうです。
寒さを感じると、筋肉は収縮したりふるえたりしますよね。
更に、寒さの刺激によって「褐色脂肪組織」というちょっと特別な脂肪組織での熱産生も促進されます。
(お腹のぜい肉などにみられる普通の脂肪組織は白色脂肪組織と呼ばれています。)
この褐色脂肪組織にもミトコンドリアがたくさんいるんですよー。
昔からの健康法である乾布摩擦など、ミトコンドリアの活性化という面からも有効なんですね。
ただし、寒冷刺激だといって「氷を入れた水風呂に入る」とか、そういった無理はしないでくださいね。

 

 

以上です。
ミトコンドリアを活性化させて、みんなで元気になりましょー!
ではでは!