かんな日記 そこそこ役立つ医療ネタ

「カルノシン」とは?

こんにちは。
かんな接骨院代表の山崎です。

ここでは「カルノシン」についてお話しさせていただきます。

 

・カルノシンとはどんな物質なのか?

カルノシンはイミダゾールジペプチドと呼ばれる物質のひとつで、
構造的には、アラニンとヒスチジンという2種類のアミノ酸からなるジペプチドです。

※イミダゾールジペプチド(イミダペプチド):イミダゾール基を含むジペプチドの総称で、その中でもカルノシンやアンセリン(N-メチルカルノシン)などが有名です。
※ジペプチド:アミノ酸が2個結合したもの。

元々、体内に存在する物質で、ヒトなどの哺乳類では筋肉や神経組織に高濃度に存在しています。
また、特に渡り鳥の羽の付け根部分の筋肉、マグロの尾ヒレの部分の筋肉などに高濃度に存在しているところかも、カルノシンは「持久力を必要とする筋肉にとって重要な物質」であることが伺えます。

更には、カルノシンは活性酸素などのフリーラジカルから細胞が傷付くのを防いでくれる抗酸化物質としても知られています。

※抗酸化:活性酸素による酸化を防ぐ(簡単に言うと「活性酸素で体がサビるのを防ぐ」みたいな感じです)
※活性酸素:呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態。一部の活性酸素は細胞を傷つけます
※フリーラジカル:電子が不足し、不安定となった物質の総称。代表例として活性酸素があります

 

・カルノシンの作用

1)アンチエイジング効果
細胞の中心部分には核が存在します。
その核の中には染色体が存在し、染色体は遺伝情報を持つDNA(デオキシリボ核酸)で構成されています。
体内で過剰に発生した活性酸素は、このDNAを傷付け、細胞の異常や細胞死を起こして老化を促進させてしまいますが、抗酸化物質のひとつであるカルノシンは、その活性酸素を抑制し、老化を防ぐと言われています。

また、カルノシンには体内のタンパク質の「糖化」を防ぐ働きがあると言われています。
タンパク質の糖化が進みますと、老化が進行したり、糖化による高血圧などの生活習慣病が進行したりするので、そういったものの予防としてもカルノシンは期待できます。

※糖化:体内のタンパク質と糖が結合して変性・劣化したもの(簡単に言うと、体内のタンパク質が糖によって「焦げた」状態になったようなもの)

 

2)運動時パフォーマンスアップ効果
①持久力アップ効果
カルノシンと持久力に関する研究では、持久力アップ効果が報告されています。
また、渡り鳥の筋肉は、カルノシンなどのイミダゾールジペプチドを多く含むおかげで、不眠不休の長時間の飛行を可能にしていると言われています。

②力強さアップ効果
カルノシンを摂取による筋肉の力強さアップ、総仕事量アップなどが報告されています。

③瞬発力アップ効果
馬の筋肉にもカルノシンは豊富に含まれていることから、カルノシンと瞬発力の関連性が示唆されています。

 

3)疲労回復効果
カルノシンなどのイミダゾールジペプチドには運動後の疲労回復効果や、日常生活で感じる疲労感の回復効果も報告されています。
疲労大国ニッポンと呼ばれる我が国の環境には、とても必要な物質であると言えます。

 

4)脳の記憶機能改善効果
①記憶力改善効果

中高齢者を対象とした臨床試験などにより、記憶機能改善効果を示すことが明らかとなっているそうです。

②認知症に対する予防・改善効果
マウスのアルツハイマー病モデルを用いたマウスの実験などにより、カルノシンには認知機能改善効果が報告されています。

③自閉症に対する改善効果
自閉症のお子様に対する臨床試験で、優位な改善を示したことが報告されています。

 

5)糖尿病に対する改善効果

マウスを用いた実験で、カルノシンが糖尿病合併症の予防または治療のための潜在的な成分であることが示唆されております。

 

 

・体内のカルノシンを増やすには?

①食物から摂取
カルノシンは先述した通り、鶏肉・馬肉・カツオやマグロなどの回遊魚に多く含まれています。
(豚肉や牛肉でも良いです)
また、カルノシンの構成要素であるヒスチジンは必須アミノ酸ですから、積極的に食品から摂取したいところですが、こちらもマグロやカツオなどのお魚の肉に多く含まれているそうです。

②その他
サプリメントなども販売されています。

 

 

以上です。
ではでは!