突然ですが、皆さんに質問です。
「スポーツの前に何をしますか?」
色々な答えがあると思いますが、その中でも多くの方が「ストレッチをする」と答えるのではないでしょうか?
昔から「試合前にはよーくストレッチしておけよー!」、「ストレッチしておかないとケガするぞー!」などなど、スポーツ前のストレッチは広く一般的に勧められてきました。
また、試合中にケガをしたりすると「ちゃんと試合前にストレッチをやってないからだ!」と、怒られたりする場合もありました。
これだけ世間一般に浸透している「ストレッチはケガの予防になる」という考え。
さぞかし医学的にもきちんとした根拠があり、その根拠を基に広まっていったのだろうと想像している方も多いと思いますので、今回はこのストレッチについてお話してみようかと思います。
以下のイラストのように関節を動く範囲いっぱいのところまでもっていき、そこで筋肉の張りを感じた状態のまま静止させる方法を、一般的にはストレッチとよびます。
ただ、ストレッチにも分類がありまして、正確にはこのようなやり方のストレッチは“静的ストレッチ(スタティックストレッチ)”とよばれています。
この静的ストレッチ(以下、ストレッチとよびます)は、1970年代に出版されたある本をきっかけにアメリカで大きく広まったそうですが、この本に医学的根拠は無いそうです。また、この本が広まると同時に「ストレッチはケガの予防になる」という口コミが広まったらしく、ここで「ストレッチ=ケガの予防」という概念が構築されたといわれています。
我々がずっと信じてた「ケガの予防にストレッチ!」は、ただの口コミだったんですね・・・
なんだかちょっぴりショック・・・
では医学的根拠についてですが、最近ではスポーツ医学という分野がかなり進歩し、ストレッチについても様々な研究が行われるようになりました。
で、あれば!
さぞかし「ストレッチはケガの予防になる!」といったデータがたくさん出てくるんだろうと思いきや・・・
出てきたものの多くは「ストレッチにケガ予防の有効性はありません!」といったものばかりでした。
つまり、「スポーツの前にストレッチしてもしなくてもケガの発生には関係ない!」ということなのです。
うーん、残念。
しかも、ストレッチの研究結果によると、更に問題があるそうです。
話が長くなりましたので、その問題につきましてはまた次回!
ではでは!