かんな日記

第31回柔道整復師国家試験の結果について考察してみました

こんにちは。
かんな接骨院代表の山崎です。

先日の令和5年3月24日(金)の午後2時、第31回柔道整復師国家試験の合格発表がありましたね。
受験生の皆様、待ちに待った発表の日です。
合格した方、おめでとうございます。
惜しくも不合格であった方、もう一年じっくりと力をつけて、来年こそ合格を勝ち取ってください。

 

今回の合格発表ですが、私、例年よりもかなり低い合格率(全国平均)にビックリしました。
例年ですと、だいたい65%前後を行ったり来たりの数値なのですが、今回はなんと49.6%、全国の受験者の2人に1人以上が不合格となる結果、これは驚きの数値です。
50%以下となるのは、過去31回の国家試験の中で初めてとなりますね。

このような驚きの事態に、なぜこのような結果になったのか?、色々と考えされられました。
そして以下のような要因があるのではないかという結論に至りました。
以下に私の考察を述べさせていただきたいと思います。
(あくまでも私の個人的な意見ですので、不快に思われた方がいましたらごめんなさいね)

 

さてさて、今回の国家試験合格率が極めて低くなった要因は大きく3つあると私は思っています。
その3つの要因とは、

1.国家試験問題漏洩事件
2.不適切?どうなのこれ?と思われる必修問題
3.受験生の学力(新型コロナウイルスの影響)

だと思います。
以下に詳細を述べさせていただきます。

 

1.国家試験問題漏洩事件

皆さんもまだ記憶に新しいと思いますが、昨年10月に公益財団法人柔道整復研修試験財団理事および同試験の試験委員の2名が、「柔道整復師国家試験の問題を漏洩させていた」ということで逮捕されました。
それに伴い、家宅捜索などを受けた専門学校がありましてニュースでも報道されていましたね。
また、ニュースで報道されていなくても、インターネット上で「怪しい・・・」と噂されている学校もありましたね。
それらの学校の合格率(学校別の合格率)は・・・
大幅に低下・・・
それらの学校の中には漏洩への関与を認めていないところもあるみたいですが・・・
残念ですが「おそらく漏洩はあったんでしょうねー?」と、周囲に思われても仕方ない結果になってしまいましたね。

この問題漏洩事件が発覚したため、今まで漏洩の恩恵を受けていた学校があるとすれば、当然ながらその学校の今回の合格率は大幅に低下するでしょうから、まあ全国の合格率も下がるということになりますね。
でもまあ、これは仕方ない事ですよ。
今まではフェアじゃなかったんでしょうからね。
これからは再発防止に努めていただき、全国の受験生がフェアな状態で国家試験に挑めるようにしていただきたいです。

でも、漏洩疑いがあった数校の合格率が下がっただけで、これほどまで全国の合格率が低下するとはちょっと考えにくいです。
他の学校もかなり下がっていますね。
ハッ! (;゚Д゚)
もしかして、バレていないだけで、実は他の学校にも昨年まで問題漏洩があったのでは?
考えすぎですかねー?、まあ、これは考えすぎでしょうね。
でもなー、普段は毎年90%台の合格率であった学校が、今年急に50~60%台にまで急降下している学校って、やっぱり疑われるだろーなー・・・

でもまあ、今回の国家試験は全国のほとんどの学校で合格率の低下がみられていますので、おそらく他の要因によるものの影響の方が大きかったんでしょうね。

 

2.不適切?どうなのこれ?と思われる必修問題

現在の柔道整復師国家試験は、「必修問題50問」と「一般問題200問」で構成されています。
必修問題は50問中40問以上の正解(正解率80%以上)、一般問題は200問中120問以上の正解(正解率60%以上)、この2つの基準をクリアすることにより国家試験合格となります。

この中で、受験生にとっては、とても高いハードルとなっているのが必修問題の「80%以上正解しなければならない」という基準なのですが、この基準に関しては私は何も文句を言いません。
だって必修問題ですもん。
国家試験に合格すれば、柔道整復師として患者さんの体を診させてもらう立場になるのですから、必修問題として「これは柔道整復師として知っていなければならない」、「これを知らなければ柔道整復師になってはならない」というような問題が出題され、その問題の正解率が80%を超えなければならない。
これ当然ですよね。

柔道整復師国家試験の問題には、しっかりとした「出題基準」が定められており、その基準に沿って問題が作成されている・・・はずです。
必修とは「必ず学び修めなければならないこと」という意味ですから、必修問題はさぞかし「基礎的な問題」または「知らない事は有り得ない問題」が多い・・・はずです。

ですが実際は・・・
出題基準なんてあってないようなもの・・・なんですかね?
「基準外と思われる問題が毎年散見されているのでは?」と疑問に思うわけですよ・・・
これには全国の受験生が文句を言いたくなる気持ちも分かります。

今回の第31回柔道整復師国家試験につきましても、なんと、問1からいきなり・・・
「え?これ必修問題?出題基準外では・・・、どうなの?」と思われても不思議ではない問題のような気がしますし・・・
まあ、細かくは言いませんが、実際に見た人なら何となく分かりますよね?

この出題基準のギリギリを攻めたような問題(セーフなのか?アウトなのか?)、例年であれば、不適切問題として採点対象外となるような問題もあったのではないかなーと、私、個人的には思ったのですが・・・
全国の柔道整復師養成校からも、おそらく大量の異議申し立て文書(簡単に言いますと「この問題おかしいだろ!」と意見を述べる文書)が試験財団には届いたのではないかと推測されるのですが・・・
今回の試験の必修問題は「とくに不適切問題はなし」だそうで・・・

試験委員の先生方、必修問題は「柔道整復師になる全ての者が知っていなければならないことを問う出題内容とする。」んですよね?
ホント、お願いしますよ・・・

今回の国家試験不合格となった方々の多くは、必修問題の点数が足らなくて不合格となったのではないでしょうか?
残念で仕方ありません。

今回の国家試験合格率低下の最大の要因はこの「必修問題に一つも不適切問題が無いと判断された」ことではないでしょうか?

 

3.受験生の学力(新型コロナウイルスの影響)

今回の受験生の多くは「新型コロナウイルスの影響」をモロに受けた方々というのも合格率低下の要因でしょうね。
登校制限、オンライン授業、マスク必須、会話は控えめに、などなど。
感染防止のため仕方ないとはいえ、とても充実した学校生活とはいえない3年間だったのではないでしょうか?
学校の教職員の皆様も、このような環境の中、何とかして学生の皆さんに勉強しやすい環境を提供しようと、精一杯力を尽くしていたと思いますが・・・、やはり限界はありますよ。
そんな中、受験生の皆さんはよくがんばったと思います。
ですが、この制限多き環境によって、十分な学力が身につかなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

コロナ以外にも様々な要因があったとは思いますが、受験生の皆さんの中には文章読解力が不十分であった方もいらっしゃったのではないでしょうか?
「漢字が読めない」、「単語の意味が分からない」、「文章の内容が理解できない」、これらを放置すると、当然ながら国家試験合格から遠ざかってしまいます。
国家試験問題は、問題文を読み、そして適切な選択肢を選ぶ、それができないと点が取れませんからね。

学生の皆さん、読めない漢字は調べてフリガナをふりましょう!
「聞くのは恥ずかしい」なんて言ってる場合じゃないですよ!
理解できない単語や文章があったらどんどん先生に質問しましょう!
昔の国家試験問題は「暗記していれば解ける」ものが多かったのですが、最近の国家試験問題は「理解していないと解けない」ものが増えてきています。
どんどん先生に質問して、理解を深めていってくださいね。

また、これから柔道整復師を目指すため、柔道整復師養成校に入学しようとお考えの方!
今からでも本をたくさん読みましょう!
新聞を読みましょう!
国語の勉強をしておきましょう!(今のうちに先生にたくさん質問できるようになっておきましょう!)
国家試験合格のためです。
いや、それよりも、日本で生活するためにも必要な知識ですからね。

色々な要因があったと思いますが、とにかく学生の皆さん、文章読解力は伸ばしましょうね!
がんばってください。

 

これらの要因が重なった結果が、今回の国家試験合格率だったのかなーと勝手に思っています。
以上が私の考察です。

今回の合格率の低さ、これには何か他の意味があるのかもしれませんね。
問題漏洩事件やコロナの影響など、上記の要因による合格率低下なのか?
それとももっと大きな意味合いがあるのか?
たとえば「乱立する接骨院の抑制」、そのために合格者の数を意図的に減らしたとか?
すべて私の勝手な妄想ですが、もしそうだとしたら、今後の国家試験合格率はもっともっと低下するかもしれません。

次回、第32回国家試験の合格率、この数値を見れば何か答えが分かるかもしれませんね。

 

以上になります。
私の勝手な考え&妄想を最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではでは!