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かんな日記 そこそこ役立つ医療ネタ

湿布(シップ)についての豆知識その6(有害反応とその対策2)

こんにちは。

かんな接骨院代表の山崎です。

 

この記事は「湿布(シップ)についての豆知識その5(有害反応とその対策1)」の続きです。

では、さっそくいってみましょう!

 

◎有害反応2:光線過敏症

ここでは「シップによって起こる光線過敏症」のみに絞ってお話しさせていただきます。

 

こちらもかなり有名な有害反応なので、ご存知な方も多いのではないでしょうか?

湿布を貼った部分に日光が当たった後、皮膚に発疹・かぶれ・かゆみ・水ぶくれ、

などの症状が出現するものですね。

以前のブログ「湿布(シップ)についての豆知識その5(有害反応とその対策1)」で

お話しした接触性皮膚炎(かぶれ)とは異なります。

 

原因となるのは、シップに含まれている痛み止め薬の成分である

NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬のことでしたね)です。

このNSAIDsが入っているシップを貼った部位に、日光(紫外線)が当たることによって引き起こされます。

また、シップをはがした後にも注意が必要です。シップをはがした部位に、

日光(紫外線)が当たっても引き起こされてしまうのです。

では、「シップをはがした後、どれくらいの期間、光線過敏症に注意が必要か?」といいますと、

シップの種類にもよりますが、「はがした後、4週間は注意が必要」といわれています。

かなり長期間ですね(詳しくは使用しているシップの注意書き等を参照してください)。

 

NSAIDsの中でも、とくに「ケトプロフェン」という薬剤が光線過敏症を起こしやすいと言われてますが、

他のNSAIDsでも起こる可能性はあります。

ですので、NSAIDs入りのシップ(つまり痛み止めの薬入りシップ)全てにおいて、

光線過敏症に対する注意が必要となります。

 

では、シップによる光線過敏症になるべくならないようにするポイントをいくつか紹介させていただきます。

まずは「NSAIDs入りのシップは使用しない」。これが最も確実な方法です。

以前、ここのブログでも紹介させていただきましたが、

NSAIDsが入っていない「温感シップ」や「冷感シップ」というシップが存在します。

そちらを使用すれば、シップによる光線過敏症は、まず起こらないであろうと考えてよいでしょう。

 

次に、NSAIDs入りシップを使用する際の予防策ですが、

まずは「直接日光に当たりやすい部位には貼らない」ことです。

例を挙げると、「首すじ」や「腕(うで)」などの部分ですかね。

直接日光に当たるということは、それだけ光線過敏症のリスクが高まりますからね。

また、どうしても貼らなくてはならない場合は

「日光が直接当たらないように衣服などで保護をする」ことが大事です。

ですが、衣服によっては紫外線を通しやすい素材もありますので、衣服選びも重要です。

少し衣服選びのポイントを紹介しますと、まず「色」でいうなら、濃い色ほど紫外線を通しにくいのですが、

その中でも断然「黒」が通しにくいそうです。

次に生地、もちろん「薄手の生地」よりは「厚手の生地」の方が通しにくいです。

そして素材、ポリエステルなどが比較的紫外線を通しにくいそうです。

また、最近ではUVカット(紫外線カット)加工と表記されているものがありますので、そちらを選ぶと良いでしょう。

ただし!衣服で100%紫外線をカットしている訳ではないので、

「衣服で保護すれば光線過敏症は大丈夫!」と過信しないよう、気を付けてください。

また「紫外線予防なら日焼け止めクリームでしょ!」という方、注意してください。

日焼け止めクリームや化粧品などに含まれている成分によっては、

NSAIDsのひとつであるケトプロフェンと交叉感作性(両者で反応が増強される作用)を有するため、

光線過敏症を引き起こしてしまうとの報告があるそうです。

なので、シップを貼った部位にクリームや化粧品を使用する場合には、

念のため、医師・薬剤師に相談することをおすすめします。

 

以上をまとめさせていただきますと、

◆シップによる光線過敏症をなるべく起こさないためのポイント

①NSAIDsが入っていないシップを選びましょう。

②NSAIDs入りシップを使用する場合、直接日光に当たりやすい部位に貼るのは極力避ける。

③どうしても貼らなくてはならない場合は、衣服などで保護をする。

④保護する衣服の選び方

・色は「黒」がおすすめ。

・「薄手の生地」よりも「厚手の生地」がよい。

・「UVカット加工」と表記されたものがおすすめ。

※ただし、衣服などで100%紫外線をカットできる訳ではないため注意!

⑤日焼け止めクリームや化粧品などは、含まれている成分によっては注意が必要。

 

などなど。

 

これからの季節、お肌を露出する機会が増えると思いますので、みなさんご注意を!

ではでは!

 

次の記事:「湿布(シップ)についての豆知識その7(その他の有害反応)」に続きます。

 

※実際のシップご使用にあたっては、製品により特徴・使用感等に違いがあります。製品の説明事項をよく読んでから使用してください。また、かぶれなどの異常がみられた場合はただちに医師に相談してください。