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湿布(シップ)についての豆知識その4(意外と知らない副作用について)

こんにちは。
かんな接骨院代表の山崎です。

この記事は「湿布(シップ)についての豆知識その3(どんな薬が入っているの?)」の続きです。

今回はシップの副作用についてお話しさせていただきます。

さて、本題に入る前に、少しお話ししたいことがあります。
それは何かと言いますと、「薬の副作用(以下、副作用と呼びます)」について、なのです。
なぜこの話をさせていただくのかと言いますと、
一般に「副作用」という用語は、かなり広い範囲を包括した用語であるからなのです。
ですから、副作用という用語のみですと、人によってイメージが大きく異なってしまう可能性があります。

そのため、単に私が「シップの副作用には〇〇が・・・」みたいなお話しを始めてしまうと、
もしかしたら「え?副作用の話って・・・、たったそれだけ?」となってしまうかもしれません。
そこで、まず先に「このブログでお話しする副作用の範囲」を説明してから本題に入った方が、
誤解を生じにくいであろう・・・と、考えたのです。

では、早速いきましょう。
今回のお話しもちょっと難しいですよー。

お薬というのは通常、治療を目的として使用されます。
当然、薬によって様々な作用(効果)があるのですが、
その中でも、治療目的の作用を「主作用」と呼びます。
それに対し「医薬品の使用に伴って発生する、治療目的に沿わないすべての作用」、
これを「副作用」と呼ぶのです(広義の副作用とも呼べますね)。

また、「医薬品の使用に伴って現れた好ましくない事象のうち、
当該医薬品との因果関係が否定できないもの」を「狭義の副作用」とする、
と、いった意見もあるようですが、一般にはすべて含めた広義の副作用を「副作用」と呼ぶことが多いです。

まあ、つまりですね、簡単に言いますと
「良くも悪くも主作用以外の作用(効果)がみられたら副作用と呼ばれる」と、思ってください。

ちなみに、世界保健機関(WHO)では副作用を
「有害かつ意図されない反応で、疾病の予防、診断、治療または身体的機能の修正のために人に通常用いられる量で発現する作用」
と定義しておりますので、今後は日本における副作用の定義も変化するのではないかと思います。

ただし、「この副作用は有害か?無害か?」なんていうのは、
その人の考えや、置かれている状況によって異なります。
どういうことかと言いますと、具体的な例を挙げてみましょう。

そうですね、花粉症の薬がイメージしやすいかと思います。

花粉症の薬の主作用はもちろん「花粉症の症状を抑える作用」ですね。
ですが、花粉症の薬を飲むと眠くなることがあります。
この「眠くなる作用」が副作用ということになります。

なぜ、この副作用がみられるのかというと、
花粉症の症状である鼻水やくしゃみを抑えるためには、体内でのヒスタミン生成を抑える必要があります。
ですから花粉症の薬は「抗ヒスタミン薬」であることが多いのです。
ただ、ヒスタミンは悪いことばかりしているわけではありません。
中枢神経系(脳など)の伝達物質として活躍している一面もあるのです。
そのため、花粉症の症状がつらくて抗ヒスタミン薬を飲むと、花粉症の症状は抑えられるのですが、
同時に脳の覚醒状態を維持する働きまで抑制されてしまうため、眠気が起こるのだと言われております。

では、ここで副作用として起こる「眠気」について考えてみましょう。
みなさんにとって、この「眠気」いう作用は“悪”ですか?“良”ですか?
おそらく「“悪”だ!」と答える方が多いと思いますが、一概にそうも言えないのです。
どういうことかと言いますと、これから自動車の運転をする人にとっては“悪”でしょうが、
これから睡眠をとる人にとっては“良”の作用になり得る、ということなのです。

実際、副作用として「眠気」が出現してしまう薬剤を、
商品名を変更して睡眠改善薬という目的で販売したなんて例もあるくらいですからね。
副作用が主作用に変わった一例ですね。

副作用には明らかに有害なものもありますが、上記のように利用できるものがあったり、と、様々です。
だからでしょうかね?
「薬によって現れた有害な症状」のみを副作用と呼ぶ訳ではないんですね。

ですが、有害な副作用のみを表す用語もないと困ります。
そこで最近では、「治療などに通常用いられる用量で起こる好ましくない反応であり、
薬物との因果関係があるもの」を、薬物の「有害反応」と呼ぶようになりました。

つまり「明らかに有害な副作用」=「有害反応」ということになりますね。

・・・話がどんどん脇道にズレてしまった感じで申し訳ありません。
今回、シップの話が全然出てきませんねー。
ですが、ようやく、本題に入れそうです。

お待たせしました!
つまりですね、私がこれからお話しさせていただく「意外と知らないシップの副作用」というのは、
「意外と知らないシップの有害反応」ということでご承知おきください。

では早速・・・
と、言いたいところなのですが、今回はもうすでに長くなってしまいました・・・
なので、本題は次回とさせていただきます(ごめんなさい!)。

ではでは!

 

次の記事:「湿布(シップ)についての豆知識その5(有害反応とその対策1)」に続きます。