湿布タイトル
かんな日記 そこそこ役立つ医療ネタ

湿布(シップ)についての豆知識その2(あったかいの?つめたいの?)

こんにちは。
かんな接骨院代表の山崎です。

この記事は「湿布(シップ)についての豆知識その1(白いの?肌色の?)」の続きです。

前回はシップの素材についてお話ししました。
パップ剤とテープ剤(プラスター剤)がありましたね。
今回は温シップと冷シップについてお話ししたいと思います。

みなさんもご存知のとおり、シップの中には、見た目がおんなじなのに
貼っていて「あったかいなー」と感じるものと「冷たいなー」と感じるものがあります。
そのまんま「温シップ」、「冷シップ」と呼ばれていますが、
これらのシップは本当に温度を変化させるのでしょうか?

今回はそんなお話しです。

 

まずは温シップからお話しします。
温シップに含まれている成分は、トウガラシエキス、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミドなど、
つまり唐辛子の成分みたいなのが多いですね。

唐辛子を食べると体がポカポカするので、唐辛子成分を含んでいる温シップを貼ったら、
さぞかし温度も上がるんだろうなー・・・と、思いきや、そうでもないみたいです。

なんと、これらの成分による温度上昇は実際のところほとんどなく
「温かい感じがするだけ」という意見が多いのです。
中には「温シップを貼ってから60~90分後に皮膚温が2℃上昇する」と言った報告もあるみたいですが、
深部の温度上昇がみられるほどの効果は期待できないでしょう。

更に、温シップの多くはパップ剤であるため、
水分が蒸発する際の気化熱によって皮膚温が低下する可能性もあります。
よって、温シップは、温度を上げるシップというより、温かい感じがするシップ、
つまり「温感シップ」という表現の方が正しいのではないかと思います。

 

続いて冷シップですが、こちらにはメントールなどのハッカ成分が入っていることが多いですね。
これらの成分により、貼ってからしばらく経つとスースーとした冷たい感じがしてきます。
あー、スースーする。こりゃ冷えるなー・・・と、思いきや、
こちらの成分にも実際のところ、温度を下げるような効果はないそうです。
ですので、これらメントールなどの成分が含まれているシップは、
冷たい感じがする「冷感シップ」と呼ぶのが正しいのではないかと思います。

 

ここまでの話をまとめますと、残念ながら、シップに含まれている成分によって、
筋肉や関節などの身体の深い部分の温度が大きく変化することは、ほぼ無いと言えます。
私が整形外科での研修時代に、製薬会社さんの勉強会で質問させていただいた時にも
「温度は変わりません」との回答をいただいた記憶があります。

では、ここで皆さんに疑問が生じるのではないかと思います。
「温感シップと冷感シップ、どっちを貼ればいいんじゃい!?」と。
その答えはですね・・・大変申し上げにくいのですが、
「試しに貼ってみて、痛みが和らぐ方(気持ちがいい方)を選んでください」としか言えないのです。

え?じゃあ効果がないの?と思われた方もいるかと思いますが、そんなことはありませんよ。
痛いところにシップを貼って「ポカポカ温か~い(またはヒヤーッと冷た~い)」といった
気持ちのいい刺激を与えることにより痛みが和らぐのです。

なぜか?

それは、「痛み」と「温かい(冷たい)」を感じる神経系は違う、この性質を利用していると言われています。
また、皆さんも経験があると思いますが、痛いところに手を当てると、痛みが楽になりますよね?
痛いところにシップを貼るのも、この状況と似ています。
この機序によって痛みが軽減するのも、ある理論によって説明ができます。
(どちらも難しいから省略しますが・・・)

話が長くなりましたね・・・すみません。
以上、前回のお話し(その1)と上記の内容をまとめますとこうなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院では、このような考えのもと、患者さんに貼るシップを選択しています。
ただ、実際には最近のシップは「消炎鎮痛薬の成分入り」が多いので、
またこういった薬など、別の知識も必要になります。これについてはまた別の機会に。

ではでは!

 

次の記事:「湿布(シップ)についての豆知識その3(どんな薬が入っているの?)」に続きます。

 

※実際のご使用にあたっては、製品により特徴・使用感等に違いがあります。
製品の説明事項をよく読んでから使用してください。
また、かぶれなどの異常がみられた場合はただちに医師に相談してください。