こんにちは。
かんな接骨院代表の山崎です。
今回は“乳児ボツリヌス症”についてのお話です。
ニュースによると2017年3月に東京都で生後6ヵ月の男児が、
この乳児ボツリヌス症によって死亡したそうです。
つい最近の話ですね。国内では初の死亡例らしいのですが・・・。心が痛みます。
原因となったのは「ハチミツ」。
ハチミツの中にいたボツリヌス菌が、体内で増殖したことにより発症したそうです。
ボツリヌス菌は自然界に存在する細菌です。主に土の中などにいるみたいですね。
ハチミツも自然食品ですから、当然、含まれていても不思議ではありません。
ちょっと小耳にはさんだのですが、市販されているハチミツには
ある一定の確率でボツリヌス菌が含まれているみたいですね。
「うわっ!ハチミツってやばいんじゃない!?」って思った方、そんなに心配しなくても大丈夫です。
先ほどお話をした通り、どこにでもいる細菌ですから・・・。
含まれていると言っても、通常は少量です。
健康な人であれば少量のボツリヌス菌を経口摂取しても(食べても)
なんら問題がないことがほとんどなのです。
ただし、赤ちゃんは別です。
大人と比べて腸内細菌のバランスが未熟であるため、食べ物と一緒にボツリヌス菌が入ってしまうと、
お腹の中で増殖してしまうことがあるのです。
乳児ボツリヌス症は、お腹の中で増えたボツリヌス菌が作り出す毒素によって発症します。
国内で初めて乳児ボツリヌス症が報告されたのが1986年。
その後、1987年に当時の厚生省が「1歳未満の乳児にハチミツを与えてはならない」との通達を出してからは、
国内での認知度が高まり、本症の発生数は減少したそうです。
その甲斐あってか、今では一般的にも「赤ちゃんにハチミツはダメ!」ということが周知されてますし、
ハチミツの容器の裏ラベルには「1歳未満の乳児には与えないでください」と書かれているものが多いです。
また母子健康手帳にも「ハチミツは満1歳まで使わないでください。」と書かれています。
でも、未だにハチミツが原因で起こる乳児ボツリヌス症は発生しています。
もしかしたら、「医療機関で聞いたのを忘れてしまった」、「母子手帳を読まなかった」、などの理由から、
母親が知らないのかもしれません。
実際、今回のニュースになったケースでも母親は知らなかったそうです。
また、最近ですと、インターネットなどでたくさんの離乳食メニューが掲載されていますが、
その中にはハチミツを使用しても大丈夫なように見えてしまうものも存在します。
注意しなければなりませんね。
最後に、乳児ボツリヌス症を防ぐために、以下のポイントを覚えておいてください。
①ハチミツなどの食品には、ある一定の確率でボツリヌス菌が存在する。
→赤ちゃんにハチミツを食べさせるのはやめた方がいいでしょう。
②どこにでもいる細菌であるが、空気が嫌いで、密閉されている場所の方が繁殖しやすい。
→加熱不十分な真空パックや瓶詰めの食品も注意が必要です。
③一般家庭で行われる通常の加熱調理程度では完全に死滅しない。
→加熱すれば赤ちゃんにハチミツをあげても大丈夫なんでしょ?なんて思わないでくださいね。
また、ハチミツ以外にも、黒糖やコーンシロップも同様に、ボツリヌス菌が存在している可能性があるらしいので、
これらも赤ちゃんには食べさせない方が良いみたいです。
皆さん、赤ちゃんのいる家には一声かけてあげてくださいね!